二人で家に帰る。
土手沿いを二人で歩いた。
川面が夕日でオレンジ色に染ってた。
ついに言っちゃった。
奏と一緒に住みたいって。
どうしよう。同棲なんて言ったらお母さん、驚くかな。怒るかな。それともどうでもいいって言われちゃうかな。
すると途中の自動販売機で奏が温かいコーヒーを買って、私に向けて投げてくる。
「え、くれるの?」
「ダメに決まってるだろ。心臓に良くない。それで温まれってこと」
「ふふ。もう夏だよ」
「だって何か寒そうな顔してるから」
「なにそれ!」
私は奏にコーヒー缶を返した。
奏はそれをプシュと開けて、土手に寝転んで飲んだ。
「ほら、さゆも横に来いよ」
「寝るの〜? 制服汚れちゃう」
とか言いながら、私は隣に寝っ転がった。
ワンワンっと元気なコーギーを散歩させてる、小さな女の子がお母さんと一緒に「あのお姉ちゃんたち寝てるー」って指さして笑ってた。
「笑われたよ、奏」
「良いだろ別に。それよりコーギーって可愛すぎだよな」
「奏ん家でも飼えばいいのに」
「母さんがアレルギーなんだよ」
「私は違うよ」
「俺も違う。なら、いつか二人で住む家に迎えようか」
「はは、何言ってんの」
いつか、なんて来ないのに……
私、この夏で殆ど動けなくなるってアキが言ってた。
「うっ……」
「さゆっどうした!?」
涙が止まらない。
「なんでも……ないの」
どうして、私はただアキのことが好きで。
だけど奏のことを大事にしたくて。
それだけなのに。
神さまは許してくれない。
「夕陽、綺麗だろ」
「うん……」
「世界中の温もりや夕陽の綺麗さ、全部まとめてさゆの心に届けたいくらい大好きだ。だから、泣くなよ」
奏は私の身体の上に覆いかぶさった。
コーヒーの匂いがする。
奏の髪の毛が頬をくすぐる。
真剣な瞳が私だけを見つめている。
土手沿いを二人で歩いた。
川面が夕日でオレンジ色に染ってた。
ついに言っちゃった。
奏と一緒に住みたいって。
どうしよう。同棲なんて言ったらお母さん、驚くかな。怒るかな。それともどうでもいいって言われちゃうかな。
すると途中の自動販売機で奏が温かいコーヒーを買って、私に向けて投げてくる。
「え、くれるの?」
「ダメに決まってるだろ。心臓に良くない。それで温まれってこと」
「ふふ。もう夏だよ」
「だって何か寒そうな顔してるから」
「なにそれ!」
私は奏にコーヒー缶を返した。
奏はそれをプシュと開けて、土手に寝転んで飲んだ。
「ほら、さゆも横に来いよ」
「寝るの〜? 制服汚れちゃう」
とか言いながら、私は隣に寝っ転がった。
ワンワンっと元気なコーギーを散歩させてる、小さな女の子がお母さんと一緒に「あのお姉ちゃんたち寝てるー」って指さして笑ってた。
「笑われたよ、奏」
「良いだろ別に。それよりコーギーって可愛すぎだよな」
「奏ん家でも飼えばいいのに」
「母さんがアレルギーなんだよ」
「私は違うよ」
「俺も違う。なら、いつか二人で住む家に迎えようか」
「はは、何言ってんの」
いつか、なんて来ないのに……
私、この夏で殆ど動けなくなるってアキが言ってた。
「うっ……」
「さゆっどうした!?」
涙が止まらない。
「なんでも……ないの」
どうして、私はただアキのことが好きで。
だけど奏のことを大事にしたくて。
それだけなのに。
神さまは許してくれない。
「夕陽、綺麗だろ」
「うん……」
「世界中の温もりや夕陽の綺麗さ、全部まとめてさゆの心に届けたいくらい大好きだ。だから、泣くなよ」
奏は私の身体の上に覆いかぶさった。
コーヒーの匂いがする。
奏の髪の毛が頬をくすぐる。
真剣な瞳が私だけを見つめている。


