「お願い、もう私を癒さないで。傷を消さないで。お父さんがいる場所にいけたらそれでいいから!」
「それがさゆの本気の願いなら、俺は止めないよ? でも聞こえるんだ、さゆが生きたいって叫んでる声が。俺にはちゃんと」
雨は止まない、それどころか強くなるばかり。
私やアキ先生の頬を流れたのが、涙なのか、雨粒なのか、分からない。
「……じゃあ、残してよ。消せない傷を残してよ!! 死にたくない、生きたい。そう思えるくらいの未練を私にちょうだい」
「うん。残すよ。その胸の手術痕だって、俺が着けた。一生、消えないだろ? もっと消えない傷、幾らでもまたつけてやる。それが俺がここにいる理由だ。だから帰ろう。俺たちが生きていく場所に」
「……うん」
アキ先生はお父さんのお墓に一礼すると、私のことをお姫様抱っこした。
疲れちゃって、私はそのままアキ先生に身を委ねた。
車に戻ると、毛布を出してくれて震える身体を包んでくれた。
「アキ先生……私」
「謝るな。何も言わなくていい。俺に全部任せて寄りかかっていい。て言うか、寝てろ。頑張り過ぎだ」
「うん……」
先生の優しい声と、車の暖房の温もりを感じながら私はゆっくりと目を閉じた。
「それがさゆの本気の願いなら、俺は止めないよ? でも聞こえるんだ、さゆが生きたいって叫んでる声が。俺にはちゃんと」
雨は止まない、それどころか強くなるばかり。
私やアキ先生の頬を流れたのが、涙なのか、雨粒なのか、分からない。
「……じゃあ、残してよ。消せない傷を残してよ!! 死にたくない、生きたい。そう思えるくらいの未練を私にちょうだい」
「うん。残すよ。その胸の手術痕だって、俺が着けた。一生、消えないだろ? もっと消えない傷、幾らでもまたつけてやる。それが俺がここにいる理由だ。だから帰ろう。俺たちが生きていく場所に」
「……うん」
アキ先生はお父さんのお墓に一礼すると、私のことをお姫様抱っこした。
疲れちゃって、私はそのままアキ先生に身を委ねた。
車に戻ると、毛布を出してくれて震える身体を包んでくれた。
「アキ先生……私」
「謝るな。何も言わなくていい。俺に全部任せて寄りかかっていい。て言うか、寝てろ。頑張り過ぎだ」
「うん……」
先生の優しい声と、車の暖房の温もりを感じながら私はゆっくりと目を閉じた。


