「さゆ、急に生徒会やめて、俺のこと避けるようになったよな。病院も行ってないみたいだし。なんでそんなになった?」
「知らない」
「言いたくないってこと?」
「そうかもね」
「それは俺だから? それとも他の誰でも?」
「……」

本当は、最初で最期の恋だと思ったから、ぜんぶを秘密にしようと思った

なのにーー

「何でだよ。何でそんな顔するんだよ。俺のこと、嫌いになったなら嫌いってはっきり言ってくれよ!」

私、わかんなくて。
色んな気持ちがぐちゃぐちゃで。

だから、アキ先生にちょっかい出してみたり。
奏を困らせて振り回して。

だけどほんとは自分がいちばんわかんないの。

「……苦しい」
「えっ、大丈夫!? 心臓か」
「違う、心が苦しいよ」

奏はびっくりした表情で私の顔を見つめる。
そうくん……奏……
どうして、私こんなに苦しいの。

「俺は、さゆが好きだよ。昔からずっと今も好きだ」

奏はそう言って、優しく手を握ってくれた。