B4サイズに魔法をつめて

「うん。でも、オレは相手と対局するよりも、どっちかというと詰将棋が好き」



冴島くんに将棋のことをあれこれと真昼が質問をしていると、
「お〜たにさ〜ん」
と、馬場さんの声が教室に響いた。



「!!」



最近の馬場さんは、真昼のことをあまりいじめている様子を見せなくて。

ちょっと安心していたのに。

今は、眉間にいくつものシワを寄せて、かなり不機嫌そうだ。



「ちょっとこっち来なよ」
と、手招きしている。



「……」



真昼の足が馬場さんのほうへ向かうのを、
「行かなくていいよ」
と、私は止めた。



「師匠、大丈夫ですよ」
なんて、笑顔を見せる真昼。



「ダメ。行かないで。危ないよ、絶対に」

「塚原さ〜ん、そんなに心配ならアンタも来れば良いんじゃなーい?」



馬場さんが意地悪そうに笑う。

その後ろで美菜と千穂も笑っている。



「師匠は来ないでください。私なら大丈夫だから。あの人のこと、別に怖くないから」

「何言ってんのよ、アンタのこと放っておけるわけないじゃん!! こんな時は強がらなくていいの!!」