B4サイズに魔法をつめて

事件が起きたのは、バレンタインデーが近い月曜日の放課後だった。



プロットが完成して。

ネームも出来た。

昨日から原稿用紙に下絵の作業に入っている。


いつものように真昼と冴島くんと、放課後の教室で話していた。



「明石くん、部活をやめるんですね。さっき、顧問の先生と話してくるって言って、教室から出て行きました」

「そうみたいだね。小説を書く時間を増やしたいって、三学期に入ってしばらくしてから、休部していたらしいよ」

「知らなかったです。明石くんが部活に入っていることすら……。師匠は何か知っていましたか?」



真昼に尋ねられて、
「何部かは知らなかった。陸上部だなんて、意外だよね」
と、正直に答える。



冴島くんは困ったように笑って、私達を見る。



「明石は走るの、好きなんだよ。でも、ずっと休部しているのも、申し訳ないからって」

「……冴島くんは、将棋が好きなんですか? 将棋部でしたよね?」