B4サイズに魔法をつめて

お母さんが夕食に使う材料を買い忘れたと、再び出かけて。

真昼が「そういえば」と、ペンを置いた。



「師匠って、アナログ作画なんですよね? デジタル作画とかは興味ないんですか?」



アナログ作画とは、言葉通りに全て、紙に手描きで作業をしていく。

デジタル作画はタブレットやパソコンなどで作業をしていく。



「……興味ないことはないけど、私の家にデジタル環境が整っていないし」

「……なるほど」

「まぁ、一枚一枚、“スクリーントーン”を貼っている時とかは、マジでデジタル作業に移行出来たらいいなとは思うけどさ。でもデジタル作画も絶対に楽ではないだろうし」



スクリーントーンとは、ドット柄や花柄の薄いシールのようなもので、漫画には欠かせないアイテム。

“トーン貼り”と呼ばれるそれを貼る作業は、地道で細かく、神経を使う。



真昼は頷き、
「私もデジタルには詳しくないんですよね……。つ、つ、“つけペン”に憧れがあって」
と、少し興奮気味に話す。



「わかる。“Gペン”とか、“丸ペン”とか! 初めてGペンのペン先を漫画インクのボトルにつけた時、感動したもん」