B4サイズに魔法をつめて

背景の描き方はコツを掴めば、真昼のほうが断然と上達が速かった。



「教室ってさ、普段見ているわりに、絵で描くと超難しくない?」

「結構、神経使いますよね」

「あと階段! 何あれ、マジでむずい!」

「師匠の描いた階段、絶対真正面からですね」



私はノートを真昼から隠して、
「だって!! アングル変えると、本当に頭こんがらがるから!!」
と、言い訳をした。



だけど。

いつか、真昼が言っていたように。

背景を練習していると、漫画の世界の中に入り込んだ気持ちになって、楽しい。



「師匠、最近『デイジー』の漫画投稿ページを見ていますか?」



真昼の言いたいことは、予想がついた。



「『小鳥(ことり) ねねこ』のこと?」



小鳥 ねねこは、二ヶ月前から『デイジー』の漫画投稿ページに現れた、漫画投稿者。

私達と同じ中学二年生で、初投稿でいきなり期待賞を受賞し、担当編集者付きにもなった。