B4サイズに魔法をつめて

「師匠、担当さんからはまだ?」
と、声を落として真昼が聞いてきた。



「うん。マジでどうなってるんだろう? 全然連絡がない」

「次回作のネームを送れば、また連絡が来る可能性がありますか?」

「……うーん、そうかもしれないけど」



ネームを送れば、返事を待つことになる。

いや、きっとずっと待ってしまう。



そう、今だって。

一応プロットを考えてはいるものの、連絡がない状態で。

勝手に次回作を描くことは、担当さんにどう思われるんだろう?と、不安に思っている。



だけど。

タイムリミットがある私としては。

描かなくては前に進めない。






「師匠の次回作、早く読みたいなぁ」



真昼がうっとりした目で言う。



「どんな主人公なんだろう? ヒーローやヒロインの外見を想像するだけで楽しみです」

「……そうなの?」



私の漫画、そんなに楽しみなの?



今。

目の前にいるのは。

紛れもなく読者だと思ったら。