B4サイズに魔法をつめて

「師匠、あのふたりと話さなくて良いんですか?」

「え?」

「友達のところに居なくて、大丈夫なんですか?」



ふたりとの事情を知らない真昼は、私を気遣って、自分から離れようとした。

私はその手を掴んで、
「友達なら、今ここにいる」
と、伝えた。



「今、友達と一緒に居る」



真昼はまず私が掴んでいる手を見て、それから私の目を見た。



「友達? 友達なんですか?」

「そうじゃん。師弟関係でも、私達は友達じゃん」

「……っ」



真昼は嬉しそうに笑って、
「友達……」
と、呟いた。



「あ、オレの存在を忘れないでくれる?」
と、明石 秀人が口を挟む。



「あ、忘れてたかも〜」
と、私が冗談っぽく言うと、明石 秀人が「ひどいなぁ」と笑って、真昼も声を出して笑った。



ちらっと美菜と千穂の様子を伺うと、私達のことを(にら)むような目つきで見ていた。



(大丈夫)



怖くなんかない。

あんた達も、馬場さんも。






昼休み。

スマートフォンを気にしつつ、真昼とお弁当を食べた。