B4サイズに魔法をつめて

学校に登校した私を見て、一番驚いた顔をしたのは、真昼だった。



「ど、どうしたんですかっ!!」

「え、いや、別に。来たくなったから来ただけだし」



そこへ明石 秀人がやって来た。



「あ、本当に来たんだ。おはよう、塚原さん、大谷さん」

「おはよう」



私と明石 秀人が挨拶を交わす様子を、信じられないものを見るような目で見ていた真昼が、
「え? え、本当にどうしたんですか?」
と、私に再度尋ねる。



「んー、まぁ、いいじゃん」

「仲悪いより良いですけど……」



真昼が困惑しつつ、でも笑顔を見せる。

その表情に、私はホッとした。

多分、明石 秀人も。



続々とクラスメイトが教室に入ってくる。

みんな私を見て、ちょっと驚いた目をする。



美菜と千穂も例外ではなかった。

まず、驚きの表情をしてから、ふたりでこそこそ何かを話している。



(感じ悪いふたりだよなぁ)



こっちを向いている時はニコニコしていたくせに、ちょっと自分の意に沿わないことがあれば、あっちを向いてこそこそと話す。