(髪の毛の描き方を変えたわけじゃない)
筆圧か、速さか。
とにかく、線の引き方が。
事故前とは違うようになっちゃったんだ。
それからは、事故前に描いた絵を見ながら、ひたすら線を引いていた。
三学期が始まっても、私は学校には行かないで、ひたすら家で絵の練習をしていた。
もうすぐ三連休がやってくる、ある日。
いつものように放課後、私の家に寄った真昼の制服が、埃や土などで汚れていた。
「師匠、今日はお家に上がるのはやめておきます」
「えっ、あんた、どうしたの?」
「……今日は、この間から練習を始めた背景の絵を見てほしくて。そのためだけに寄りました」
真昼が背中からおろした青いリュックは、汚れていなかった。
(なんで、制服だけがこんなに汚れているんだろう?)
「本当、どうしたの? 何があったの?」
「大丈夫です。……背景の絵、うまく描けた気がしたんですけど、教室の机をたくさん描くのが難しかったです」
「話をそらすの、やめてよ」
筆圧か、速さか。
とにかく、線の引き方が。
事故前とは違うようになっちゃったんだ。
それからは、事故前に描いた絵を見ながら、ひたすら線を引いていた。
三学期が始まっても、私は学校には行かないで、ひたすら家で絵の練習をしていた。
もうすぐ三連休がやってくる、ある日。
いつものように放課後、私の家に寄った真昼の制服が、埃や土などで汚れていた。
「師匠、今日はお家に上がるのはやめておきます」
「えっ、あんた、どうしたの?」
「……今日は、この間から練習を始めた背景の絵を見てほしくて。そのためだけに寄りました」
真昼が背中からおろした青いリュックは、汚れていなかった。
(なんで、制服だけがこんなに汚れているんだろう?)
「本当、どうしたの? 何があったの?」
「大丈夫です。……背景の絵、うまく描けた気がしたんですけど、教室の机をたくさん描くのが難しかったです」
「話をそらすの、やめてよ」



