B4サイズに魔法をつめて

今度こそ、心の底から私のことをバカにした表情だった。



そして、ベンチから立ち上がり、
「無駄な時間だから帰るわ。塚原さん、大谷さんのこと責めないでね。大谷さんはあくまで、あんたのために動いたんだから」
と、歩き出す。



その背中を見て、
「待って!」
と、呼び止めた。



振り返った明石 秀人に、私は尋ねずにはいられなかった。



「なんでそんなことを言うの? 私、本当に漫画の作業の中で、絵は大事にしてるもん!」



明石 秀人はニコリともせず、
「あんたの漫画、“顔漫画”なんだよ」
と、吐き捨てるように言った。