ムカムカし過ぎて、言い返せない。
だから、
「あんたに何がわかるのよ」
とだけ、言い返した。
「いつもそれ、言うよな」
と、明石 秀人は笑った。
「塚原さんってさ、誰に向かって漫画を描いているの? 読者じゃないの?」
「えっ……」
「読者の人ってみんながみんな、あんたみたいに漫画を描いている人間じゃないはずだろ? コマ割りをしたことがない、オレみたいな人間だって、読者のひとりだよ」
「……」
「それとも、何? 漫画を読む人はみんな、漫画を描けないといけないわけ?」
「そんなことない、そんなこと、言ってない」
明石 秀人は「そう言ってるんだよ。あんた、さっきから」と、低い声で呟いた。
何か言い返したくて。
何か言わないと、ダメな気がして。
「わ、私の漫画は、絵を大切にしてるから」
と、精一杯の反論をしてみる。
(どうだ、反論出来ないでしょう?)
そう思ったのも束の間。
「絵を大切にしてる? よく言えるね? そんなこと」
と、明石 秀人は笑った。
だから、
「あんたに何がわかるのよ」
とだけ、言い返した。
「いつもそれ、言うよな」
と、明石 秀人は笑った。
「塚原さんってさ、誰に向かって漫画を描いているの? 読者じゃないの?」
「えっ……」
「読者の人ってみんながみんな、あんたみたいに漫画を描いている人間じゃないはずだろ? コマ割りをしたことがない、オレみたいな人間だって、読者のひとりだよ」
「……」
「それとも、何? 漫画を読む人はみんな、漫画を描けないといけないわけ?」
「そんなことない、そんなこと、言ってない」
明石 秀人は「そう言ってるんだよ。あんた、さっきから」と、低い声で呟いた。
何か言い返したくて。
何か言わないと、ダメな気がして。
「わ、私の漫画は、絵を大切にしてるから」
と、精一杯の反論をしてみる。
(どうだ、反論出来ないでしょう?)
そう思ったのも束の間。
「絵を大切にしてる? よく言えるね? そんなこと」
と、明石 秀人は笑った。



