B4サイズに魔法をつめて

ムカムカするけど、
「大谷さんに見せてもらったんでしょう? 私の原稿」
と、明石 秀人に話を振る。



「どうだったの?」
なんて、わざわざ聞いてみる。



だって、気になるもん。





褒められることはわかっている。

でも、あんなことがあった手前、素直に言えないだろうから、わざわざこっちから聞き出してあげる。



明石 秀人は、大谷 真昼を挟んで私を見つめ、
「……感想とか聞きたいんだ?」
と、言った。



「聞きたいっていうか、まぁ、普通に気になるじゃん。どうだったのかなって」

「言っていいの?」



なぜか大谷 真昼に尋ねる明石 秀人。

自分の話なのに、のけものにされている気分になり、ムカムカした心がトゲトゲしてくる。



「何よ、言いなさいよ」



私の言葉に、明石 秀人は「じゃあ、遠慮なく」と前置きして、
「ちっとも面白くなかった」
と、言い放った。





え?



面白くなかった?