B4サイズに魔法をつめて

「わ、私……、冬原 ちづかさんがあんなふうに言われて悔しくて」

「……」

「それで漫画原稿を見たら、明石くんだってすごいって、お、思ってくれんじゃないかって、咄嗟(とっさ)に思って……」



(ふぅーん……)



「勝手に持ち出したりなんかして、お、驚きましたよね? 本当にごめんなさい」



大谷 真昼の背中が丸まって、肩も下がっている。

声にも元気がなかった。



「反省しているなら、いいよ」
と、私は呟いた。



「すみません」と、大谷 真昼が言い終わらない内に、
「だから、何でそんなに上から目線で話すんだよ」
と、明石 秀人がうんざりした声を出す。



「大谷さんも、原稿を勝手に持ち出すのはいけないことだけど、別にそこまで謝らなくても良いんじゃない?」



(は?)



明石 秀人の言い方に、私はまたムカっ腹が立ってくる。



(私が悪いみたいな言い方するじゃん)