B4サイズに魔法をつめて

こんなに腹が立ったのは、初めてかもしれない。

気づけば、机の上にあったものを手当たり次第、玄関に向かう明石 秀人に投げつけていた。

ノートや、漫画原稿、物差し、シャーペン……、とにかく腹が立って、衝動が抑えられない。



「だ、ダメです!! 明石くんに怪我させちゃう!」



止めに入ってきた大谷 真昼にも、
「あんた、どっちの味方なの!?」
と、怒鳴ってしまう。



「どっちの味方でも、ない!!」



大谷 真昼が、大声で答えた。




普段、いじめっこの馬場さんに何をされても黙ってオドオドしていた、あの大谷 真昼が。

大声を出して、私を睨んでいる。



(あ……)



やり過ぎた。

そう思った。



頭に血がのぼって、後先考えずに行動してしまった。



ふと、明石 秀人を見る。

手のひらを切っているみたいだった。

私が投げたものから、自分を守るために、手のひらで防いだんだと思う。

うっすら、血が出ていた。



「あ……、あの、私……」
と、今度は私がオドオドした。