B4サイズに魔法をつめて

「……は?」



私の声が、ちょっとだけ震えてしまった。

そのことに、悔しい気持ちが膨張する。

大谷 真昼はまたオドオドして、私と明石 秀人を(せわ)しなく交互に見ている。



「いや、『は?』って言われても。別に間違ったことは言っていないでしょう? 塚原さんは絵の上手い、常連の投稿者さんってことで、漫画家の先生じゃない」

「バカにしてんの?」

「誰がバカにした? オレは事実を言っただけだよ。別にいいんだよ、鼻高々に自慢げな顔しててもさ。ただ、プロではないよね、って言っただけ」



体中の血液が沸騰するかと思った。



何についてだってバカにされるのは嫌だけど。

漫画に関することでバカにされるのは、耐えられない。



「……ふ、冬原さんは、担当編集者さんが付いてるんです。そ、それって、も、ものすごいことだと思いま……す」



大谷 真昼がまだオドオドしながら、明石 秀人の顔を見て言った。