B4サイズに魔法をつめて

「すっごく絵が上手で!! わ、私、憧れてますっ!!」

「へぇ……」



大谷 真昼の視線が。

言葉が。

冬原 ちづかを、……つまりは私を、肯定しかしていなくて。

心地良さの中に溺れていきそうだった。



「いや〜、でも学校のみんなには秘密にしてよね? 色々騒がれるとさー、ちょっと面倒じゃん?」

「は、はいっ! それはもちろんです!」

「いや〜、まぁ、いいんだけどさー。サインとか求められてもさ、書くには書くけどさー」



完全に良い気分だった。

天にも昇る気持ちとは、まさにこのことかもしれない。



だけど。



「ん? 投稿者でしょ? 常連って言ってたけど、まだデビューしていないんでしょう?」
と、明石 秀人が言った。



「えっ?」



私と大谷 真昼の声が揃った。

それに構わず、明石 秀人はこう言い放った。






「まだプロじゃないんじゃん」






一気に目の前が暗くなった。