B4サイズに魔法をつめて

十二月になり、もうすぐ終業式の日が近づいてくるっていう頃。



ピンポーン。



滅多に鳴らない、我が家のインターホンが鳴った。



「はーい……」



玄関のドアを細めに開けてみると、そこにはクラスメイトのいじめられっこ、大谷 真昼の姿があった。



「えっ?」


戸惑っていると、
「あ、あの、塚原さんにプリントとか、ノートとか、届けに来ました」
と、大谷 真昼が話した。



「……ちなみにオレも」



そう聞こえて、ドアをもう少し開けてみると、クラスメイトの男子、明石 秀人(あかし しゅうと)も立っていた。



(そういえば、このふたりが学級委員だったっけ?)



オドオドしている大谷 真昼を見て、
「あ、どうぞ。入って」
と、声をかける。



「お、お、お邪魔しま……す」



我が家は玄関のすぐ横が台所で。

食器棚と、小ぶりなテーブルを置いている。

大谷 真昼と明石 秀人を学習机などを置いている六畳間に通して、私はハッとした。