B4サイズに魔法をつめて

何にも出来ていないネームを、あと5日で納得のいく状態まで持っていかなくちゃいけない。

そうじゃないと、来月末日までに間に合わない。



「何かあるんですか?」
と、宮川先生がお母さんに尋ねる。



お母さんが宮川先生に説明をし始めた。

それを聞きながら、涙が止まらなくなった。



……わかっている。

こんなの八つ当たりだって。

今すぐ家に帰るなんて無理だってことも。

漫画を描くことが無理だってことも。



だけど。

私は。

諦めたくなくて。



起き上がることすら出来ない。

ペンだって持てない。



それでも。

戦いたかった。



B 4サイズの原稿用紙に。

向かい合いたくて。

仕方がなかった。









全身打撲に加えて、右脚が単純骨折。

右手首は、粉砕骨折。

体や顔にたくさん傷があった。

骨折治療として、手術もしなくちゃいけない状態で……。

とにかく大変な春を終えた。