B4サイズに魔法をつめて

「ふーん……。まぁ、後々のこと考えるとそうかもね」

「でしょう? 担当者さんに不義理なことはしないほうがいいよ。もしもデビューしたら、一緒に仕事をしていく人なのかもしれないんだから」



私は曖昧に頷いて、
「ごちそうさま」
と、席を立った。



(わかってるけど……)



……どうしてもプライドが邪魔する。



学習机に向かって。

漫画の作業の続きをした。



スクリーントーンを貼る作業に入っているものの、途中で私の手が止まった。

黒く塗る作業で、“ベタ塗り”と呼ばれるものがある。

私はペン入れとベタ塗りはほぼ同時進行で進めていくけれど。

そのベタの塗り忘れに気がついた。


「忘れてた……」



よく見ると、そのベタ塗りを忘れていたコマに描いたキャラの輪郭線が、うまく繋がっていない所を見つけて。



「雑に見える」



漫画インクを取り出しふたを開け、つけペンの用意をしていると。



「千冬ー、お風呂入ってよ」
と、お姉ちゃんが背後から声をかけてきた。