B4サイズに魔法をつめて

首が思うように動かない。

固定されているらしく、可動域が狭い。

狭いっていうか、ない、って言ったほうが正しいかも。



左右を見ることをとりあえず諦めて。

足元のほうを見てみた。

かろうじて見えた、脚。



「!?」



(これって……、ギプス? 読んだことのある漫画で骨折したキャラが、よくこんな格好してたっけ?)



右脚がギプスで固定されている。

それを見て、だんだん思い出してきた。



(私……、車にはねられたんだ)



そうだ、下校の途中で。

交通事故に遭ったんだ。



手を動かして、脚を触ろうと思ったけれど、それが叶わなかった。

私の右腕にもギプスがあって。

固定されている。



「!?」



ちょっと待って。

右腕が。

使えないってこと?






病室のドアが開く音がした。

誰かの足音が近づいてくる。



「千冬! 目が覚めた!?」



お母さんの声だった。