どうしよう。

まさか、こんなことになるなんて……ーーー。









スマートフォンの画面が、真っ暗。

私、塚原 千冬(つかはら ちふゆ)の背筋に冷たいものが流れる。

中学二年生の春。

これって、大ピンチ?



手に持った月刊少女漫画雑誌『デイジー』の、漫画投稿コーナーのページを開いたまま。

お姉ちゃんからのお下がりの学習机に置いたスマートフォンを見つめた。



「担当さんからの連絡が来ない理由って……、これ?」



乾いた呟きが、アパートの部屋に吸収されていくみたいに消えた。



《Bクラス》と枠組みされている欄にあったのは。

間違いなく、私のペンネーム。



(こんなに評価が下がるなんて……)



『デイジー』の漫画投稿コーナーには評価のランクがある。

デビュー賞があり、努力賞、期待賞、奨励賞と続き、Aクラス、Bクラス、Cクラス、そして選外。



前回の評価は、奨励賞だった。

その前は期待賞を貰ったのに。

どっちにしろデビューは出来ないけれど、でも、入賞していたはず。