ソレが出て来る話を聞かないでください

その質問に私たちは目を見交わせました。
優奈ちゃんは賢い子です。

今更誤魔化しても嘘だとバレると、悟志も判断したみたいです。
「あぁ。実は俺たちにも見えてる。その動画にも映ってるんだ」

その言葉に優奈ちゃんは息を飲んで「本当に？」と、聞き返してきました。

「本当だよ。それで、もしかしたら私たちも史也くんと同じように死んじゃうんじゃないかって不安で、色々と調べているの」

絵里の友達であることも伝えると、優奈ちゃんは大きく頷いてブランコを下りました。

「わかった。ちょっと待ってて」
優奈ちゃんがそう言い置くと再び家の中へと駆けこんでいきました。

ここまで話をしても決して私たちを家の中へ入れないのは、やはり賢いからだと思います。
しばらくすると家の中からバタバタと足音が聞こえてきて乱暴に玄関ドアが開かれました。

優奈ちゃんが息を切らして戻ってきたとき、その手にはファイルが握られていました。