ソファの下は埃っぽくて暗かったけれど、文句は言えません。
床に這いつくばっているときは悟志の足元だけが見えていました。
「ちょっと、なんなのあんたたち! もしかしてあんたたちも感染してるんじゃないでしょうね!?」
私たちの急な奇行を見て絵里のお母さんが取り乱し始めました。
悟志が一生懸命「違います」「すぐに出て行きますから、ちょっと待って」と言っているけれどまるで聞き耳を持ってくれませんでした。
だけど、さっきの絵里のお母さんの言葉で、絵里が生前家の中でも今の私たちと同じように急に逃げたり隠れたりしていたことがわかりました。
それを見ていたからこそ、同じ病気に感染しているんじゃないかと、懸念したんでしょう。
それからしばらくすると強い寒気がすーと消えて行ったんです。
本当に、部屋全体の気温が一気に変化するような感じで。
「もう大丈夫だぞ」
悟志に声をかけられてようやくソファの下から這い出して来たときには、服がホコリで真っ白になっていました。
そんな私たちを絵里のお母さんは、なにか恐ろしいものでも見るように見つめています。
私と悟志はいたたまれない気分で大急ぎで絵里の家を後にしました。
床に這いつくばっているときは悟志の足元だけが見えていました。
「ちょっと、なんなのあんたたち! もしかしてあんたたちも感染してるんじゃないでしょうね!?」
私たちの急な奇行を見て絵里のお母さんが取り乱し始めました。
悟志が一生懸命「違います」「すぐに出て行きますから、ちょっと待って」と言っているけれどまるで聞き耳を持ってくれませんでした。
だけど、さっきの絵里のお母さんの言葉で、絵里が生前家の中でも今の私たちと同じように急に逃げたり隠れたりしていたことがわかりました。
それを見ていたからこそ、同じ病気に感染しているんじゃないかと、懸念したんでしょう。
それからしばらくすると強い寒気がすーと消えて行ったんです。
本当に、部屋全体の気温が一気に変化するような感じで。
「もう大丈夫だぞ」
悟志に声をかけられてようやくソファの下から這い出して来たときには、服がホコリで真っ白になっていました。
そんな私たちを絵里のお母さんは、なにか恐ろしいものでも見るように見つめています。
私と悟志はいたたまれない気分で大急ぎで絵里の家を後にしました。



