ソレが出て来る話を聞かないでください

「もちろん、いいわよ」
「じゃあ、俺はこれで」

悟志も近くにあったウサギのステッカーを手にして言いました。
絵里の部屋にたこういった小さな雑貨が沢山あるので助かりました。

でも、これで絵里のタブレットをこれ以上調べる事はできなくなってしまったんです。

絵里のお母さんと一緒にリビングへ行くと、白いテーブルの上に湯気を立てている紅茶が準備されていました。

「さっきもお茶をいただいたのに……」

申し訳ない気持ちでそう言うと、絵里のお母さんはニッコリ笑顔で「時間があれば飲んで行ってちょうだい。学校での絵里の話も聞きたいし」

そう言われると断るわけにはいきません。
学校をさぼってここへ来ている私たちには時間もたっぷりありました。

私と悟志はテーブルの前に並んで座り、出された紅茶に口を付けました。
香り高いと言うんでしょうか。

これもさっきのお茶と同じで家で飲んでいるものよりもずっといいものに感じられました。