ソレが出て来る話を聞かないでください

しかも犯人は捕まっていないのですから。
そういえば、絵里の死についてはあまり報道されていませんでした。

地方新聞の下の方に少しだけ事件として取り上げられていた程度です。
それにはきっと絵里のお父さんが報道関係者だったことが関係していると思います。

絵里の死を見世物にしたくない。
そんな気持ちが働いたんだと思います。

普段は人の生き死にを見世物にしているのに身勝手だと思う人もいるかもしれませんね。

だけど絵里のお父さんは野鳥を追い掛けていた記者なので、娘を思う気持ちを汲んであげてもいいんじゃないかと思います。

話しが逸れましたね、
絵里のお母さんは快く私と悟志を絵里の部屋に入れてくれました。

絵里と私は仲よしだったので、もちろんこの部屋に入ったこともあります。
部屋の奥には出窓があり、薄いピンク色のカーテンがひかれています。

小さめのベッドの上には絵里が好きだったウサギのキャラクターのぬいぐるみが沢山置かれています。

勉強机の上にはこの前提出しなければならなかった課題のプリントが出ていて、まるで絵里が今もここにいるような錯覚を起こしました。