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家の玄関先まで送ってくれた悟志はまだなにか聞きたそうな顔をしていましたけれど、口を開きかけてやめる、ということを繰り返していました。
「どうかした?」
たまらずこっちから質問をすると悟志は自分の髪の毛をクシャクシャとかいて「いや、今色々と質問しても自分がわけわかんなくなりそうだから、今夜メッセージ送っていいか?」
「もちろん、落ち着いたら連絡して」
それから送ってくれたことのお礼を言って悟志とは別れました。
悟志からメッセージが入ったのはお風呂から上がって自室で休憩していたときのことです。
《悟志:今大丈夫か?》
《彩音:うん》
《悟志:今日見たアレなんだけど……》
《彩音:うん》
《悟志:彩音と絵里にはずっと見えてたんだよな?》
《彩音:ずっといっていうか、アレは1日に1回出てくるの》
《悟志:放課後に?》
《彩音:ううん。出て来る時間はバラバラだったと思う》



