だけどいつまでもこうして男子トイレに立てこもっていることはできないので、勇気を出してふたりで個室を出ました。
私たちがここに立て籠ってから20分以上が経過していましたけれど、誰も入ってきた様子はありませんでした。
他の個室はすべて開いていて、ひとまずは安心です。
悟志は私の手を握りしめたままソロリソロリと出口へ向かいます。
トイレのドアを少しだけ開いて首を出し、慎重に廊下を確認してくれました。
「大丈夫、いなくなってる」
ホッと胸をなで下ろすと同時に私たちはパッと手を離しました。
握り合っていた手のひら熱く、そしてジットリと汗が滲んでいます。
学校の校門を抜けたところで、ようやく体の震えがおさまってきました。
「今日は家まで送るよ」
「いいのに。悟志だって怖かったでしょ」
「怖かったから、余計に心配だ」
悟志とふたりで歩いているとなんだかちょっと変な気分になってきました。
昔から知っている相手なのに、緊張するというか。
きっと中学に入学してから身長が伸びたせいだと思います。
悟志が頼もしく感じられました。
私たちがここに立て籠ってから20分以上が経過していましたけれど、誰も入ってきた様子はありませんでした。
他の個室はすべて開いていて、ひとまずは安心です。
悟志は私の手を握りしめたままソロリソロリと出口へ向かいます。
トイレのドアを少しだけ開いて首を出し、慎重に廊下を確認してくれました。
「大丈夫、いなくなってる」
ホッと胸をなで下ろすと同時に私たちはパッと手を離しました。
握り合っていた手のひら熱く、そしてジットリと汗が滲んでいます。
学校の校門を抜けたところで、ようやく体の震えがおさまってきました。
「今日は家まで送るよ」
「いいのに。悟志だって怖かったでしょ」
「怖かったから、余計に心配だ」
悟志とふたりで歩いているとなんだかちょっと変な気分になってきました。
昔から知っている相手なのに、緊張するというか。
きっと中学に入学してから身長が伸びたせいだと思います。
悟志が頼もしく感じられました。



