ソレが出て来る話を聞かないでください

これだけ読んでも気がついた人が多いと思います。
小野彩音さんが話した人物はみんな首が長くなり、そして濁った水をながしています。

つまり、首を吊って死んでいるんです。

人がロープで首び吊をした場合、重力によって体は下に引っ張られます。
だけど首から上はその場所にキープしようとする。
だから首が伸びてしまうんです。

死んだ体からは力が抜けて糞尿を垂れ流す。
これが濁った水ということなんでしょう。

「ちょっと……水」

普段そういう死体が出てくる物語も映画も平気な作者ですが、このときはなぜかやけに気分が優れませんでした。
まるで自分の部屋の中にその死体があるような気がしてたまりません。

部屋を出てキッチンへ向かうと、そこで棚に置いてあったはずのカップが落ちていることに気が付きました。

それは作者が幼稚園の頃に作ったものです。
作ったといっても土ひねりをしたわけではなく、紙に絵を描いて、それを陶器に印刷してもらったものです。

「なんで？」

そのカップは棚の奥の方に片付けてあったので、勝手に落ちるはずがありません。
だけど元にこうして落ちている。