それらがあちこちに山のようになっているのです。
「ここが集落……?」
愕然として呟いてしまいしまたが、思えばごく自然なことです。
人がいなくなった集落の家屋が倒壊し、山に戻る。
私はその途中にある建物を見ているだけなんですよね。
ファイルにあった記事ではあの事件は19△△年に起こったことのはずです。
その集落がまだこれだけ形を保っていたのは、奇跡かもしれないと思い直すことにしました。
だけど問題はここからです。
ここまで来たものの、家族が暮らしていた建物もなくなっていたら、ここまで来た意味がありませんから。
半分落胆しながら集落を一周してみることになり、更に歩き出して10分が経過したときでした。
集落の終わりらへんに建物が残っているのが見えたんです。
「見ろ! あそこはまだ倒壊してないぞ!」
悟志が興奮気味に叫んで、私の手を握りしめたまま走り出しました。
「ここが集落……?」
愕然として呟いてしまいしまたが、思えばごく自然なことです。
人がいなくなった集落の家屋が倒壊し、山に戻る。
私はその途中にある建物を見ているだけなんですよね。
ファイルにあった記事ではあの事件は19△△年に起こったことのはずです。
その集落がまだこれだけ形を保っていたのは、奇跡かもしれないと思い直すことにしました。
だけど問題はここからです。
ここまで来たものの、家族が暮らしていた建物もなくなっていたら、ここまで来た意味がありませんから。
半分落胆しながら集落を一周してみることになり、更に歩き出して10分が経過したときでした。
集落の終わりらへんに建物が残っているのが見えたんです。
「見ろ! あそこはまだ倒壊してないぞ!」
悟志が興奮気味に叫んで、私の手を握りしめたまま走り出しました。



