人混みに驚いた様子の真冬の顔にようやく笑みが浮かんだ。それに内心前は心の中でガッツポーズをしつつ、二人は写真を撮るために並ぶ。一人、また一人と写真を撮って離れていき、ようやく前と真冬の番が来た時だった。
無言で一組のカップルが割り込み、写真を撮り始めたのだ。二人は呆気に取られたものの、前はすぐに我に返り、写真を撮っている男性に声をかける。
「ちょっと!割り込まないでちゃんと並んでください!」
「ハァ?ニホンゴ、ワカラナ〜イ!」
男性はカタコトの日本語で言った。日本人かと前は思ったものの、どうやら外国人観光客のようだ。しかし割り込みはマナー違反である。それを説明したものの、男性の答えは「ワカラナイヨ」だけだった。前も徐々に苛立ってくる。
「ふざけないでください!!あんた、本当は日本語わかるんじゃないんですか!?……ハックシュン!!」
怒鳴った直後、前の口からくしゃみが出る。写真を撮っていたカップルは、汚いものを見るような目を前に向けた。
「前、もう寒いから行こう!!」
真冬に手を引かれ、前はイルミネーションのある広場から離された。全くロマンチックなムードではない。どこか気まずい。
「……ごめん。熱くなっちゃった」
前が謝ると、真冬は「いいよ。正しいことをちゃんと言ってくれてありがとう」と微笑んだ。
無言で一組のカップルが割り込み、写真を撮り始めたのだ。二人は呆気に取られたものの、前はすぐに我に返り、写真を撮っている男性に声をかける。
「ちょっと!割り込まないでちゃんと並んでください!」
「ハァ?ニホンゴ、ワカラナ〜イ!」
男性はカタコトの日本語で言った。日本人かと前は思ったものの、どうやら外国人観光客のようだ。しかし割り込みはマナー違反である。それを説明したものの、男性の答えは「ワカラナイヨ」だけだった。前も徐々に苛立ってくる。
「ふざけないでください!!あんた、本当は日本語わかるんじゃないんですか!?……ハックシュン!!」
怒鳴った直後、前の口からくしゃみが出る。写真を撮っていたカップルは、汚いものを見るような目を前に向けた。
「前、もう寒いから行こう!!」
真冬に手を引かれ、前はイルミネーションのある広場から離された。全くロマンチックなムードではない。どこか気まずい。
「……ごめん。熱くなっちゃった」
前が謝ると、真冬は「いいよ。正しいことをちゃんと言ってくれてありがとう」と微笑んだ。

