「いや〜、たまには出掛けるクリスマスも悪くないって思って。ほら、行こ行こ!」
恋人である幽天真冬(ゆうてんまふゆ)の背中を軽く押し、前たちは家の外に出る。外に出ると寒さが二人の体を包み込んだ。空からは真っ白な雪が舞ってくる。
「綺麗〜……。ホワイトクリスマスじゃん」
そう言って笑った真冬に前は見惚れていた。
前と真冬の出会いは高校だった。同じクラス、同じ図書委員になり、話すことが増えた。話す内容はいつだって他愛のないものだったが、いつの間にかお互いを好きになっていた。
交際して十年。二人の関係は変わっていない。たまに喧嘩をすることはあるものの、一つ屋根の下で協力して暮らせている。そのうち、前の頭の中には真冬との将来がはっきりと浮かぶようになっていた。
真冬からは結婚や将来を思わせる発言は何もない。しかし、前の中で将来を共に過ごしたいと思えるのは真冬だけだと思うようになった。そのため、普段は家に籠って過ごすのが定番だったクリスマスに出掛け、プロポーズをすることを決めたのだ。
(クリスマスにロマンチックなプロポーズ……。きっといい思い出になるぞ!)
恋人である幽天真冬(ゆうてんまふゆ)の背中を軽く押し、前たちは家の外に出る。外に出ると寒さが二人の体を包み込んだ。空からは真っ白な雪が舞ってくる。
「綺麗〜……。ホワイトクリスマスじゃん」
そう言って笑った真冬に前は見惚れていた。
前と真冬の出会いは高校だった。同じクラス、同じ図書委員になり、話すことが増えた。話す内容はいつだって他愛のないものだったが、いつの間にかお互いを好きになっていた。
交際して十年。二人の関係は変わっていない。たまに喧嘩をすることはあるものの、一つ屋根の下で協力して暮らせている。そのうち、前の頭の中には真冬との将来がはっきりと浮かぶようになっていた。
真冬からは結婚や将来を思わせる発言は何もない。しかし、前の中で将来を共に過ごしたいと思えるのは真冬だけだと思うようになった。そのため、普段は家に籠って過ごすのが定番だったクリスマスに出掛け、プロポーズをすることを決めたのだ。
(クリスマスにロマンチックなプロポーズ……。きっといい思い出になるぞ!)

