家族と

次の日
私はドキドキしながら、リビングへやってきた。
ダイニングテーブルの上には美味しそうな朝ごはんが並んでいる。
「お、おはようございます。」
そう言いつつ、私はなるべく川田さんの方をみないようにする。
だって、普通にクラスメート、しかも男子の寝起きみるとか、タブーじゃん!
私はヘアセットもしたし、着替えたし、いつも学校にいる姿。
普段は何もしないまま、朝ごはんを食べて、食べ終えてから身支度をするんだけど。
やっぱ、川田さんがいると恥ずかしくてそうはいかないっていうか・・・
「あ、妃愛、おはよう。ほら、紫翠もあいさつしなさい。」
碧さんが川田さんに声をかける。
「おはよ。」
こっちも向かずにそっけなく挨拶をし、スタスタと自分の部屋へ戻ってしまった。
私は緊張でカチコチになりながら、椅子に座り、こんがり焼けたトーストに手を伸ばす。
さっくり・・・・
ほんのり甘い小麦の風味が口に広がり、少しだけ緊張がほぐれる。