きみと私の恋のみち〜想いを伝えたい〜

「ええ、無理だよお・・・・・でもそうしないとっ・・・・・」
「ウンウン♪そうだよそうだよ。それしか成すすべはない!」「は、はっきり言いすぎ・・・・でも、そうしてみようかなあ。どうしよ・・・」
すると友香が口を開いた。
「美桜。それはそうかもしれないけどいきなりそれは無理難題ってやつだよ。ねえ?」
友香が私の方に目をやった。
「うん、ちょっと、いきなりは・・・・ね。無理っぽい。」
「もう、羽音愛ったら弱いんだから!学園中のプリンスを好きになるっていうのはそういうものなの!ライバルは香波さんの他にもたくさんいるんだからね。」
「う・・・っ」
なかなか痛いところを突いてきて私は苦笑いを張り付ける。
「でもね、この中学内では私より積極的でかつか可愛い女子がたくたくさんいるの。わたしなんか、足元にも及ばないような。」
そうだ。この中学には積極的で美人な女子がたくさんいる。
二組の根本涼珠(ねもとすず)さんだとか、 四組の粟麦波音(あわむぎはのん)さんに加えて五組の橘りえ(たちばなりえ)さん。そんな輝くような女子たちがいるのだ。私はかなわない。
「羽音愛、この中学のモテ女子代表格の根本さんや粟麦さん、橘さんがどうして輝いてるか、わかる?」
どこか優しいお母さんのような口調で、綾香がゆっくりと言った。
「う、生まれつき?(笑)」笑いを混ぜた口調でそう言うと、綾香は一度息を吸い込んだ。
「そんな。生まれつきなわけないじゃん。それは、自分のことをかわいいと信じて、自分磨きしてるからんだよ。私なんかって考えるより私は一番って考えた方が、いいの。まあ、威張るのは論外だよ?でもね、ポジティブに考えた方がいろいろと楽なの。月音くんだって、あんなに毎日たくさんの女子に囲まれてるのにやりくりできてるのは、いい意味で深くかかわりすぎないようにしてるから。深くかかわってたらだんだん重荷になるでしょ?まあ、ずっと逃げるとかかわりすぎない、は別物。いいふうにしていったらいいの。」綾香は柔らかで、優しい、優しい笑みを浮かべて言う。
「綾香、いいこと言うね。」友香が笑ってる。美桜も笑った。私もだんだん笑顔になってゆく。「ふふっ、それほどでもないよ。私だってこの結論に行きつくまでいろいろ悩んだからね。やっと、見つけられたって感じ。」
綾香の話を聞いて私はすうっと気持ちが楽になった。自信を持つんだ。私!