傭兵団が屋敷の前を通る。
「とうとう動き出したわね」
窓から見る紫音に、
「お、お嬢さま、いったいどうなるのでしょう」
「大事なのは情勢を見ることよ。私たちは・・」
と言いかけたときだった。
一人の百姓が傭兵の前に出た。
「もし、お侍様、後生だから田に入らないでくださいませ。稲が倒れたら米が出来ない、飢えて死んでしまいます」
すがるような彼に、
「うるさいっ! だまれ」
いうなり刀を抜いた。
容赦なく切りつける。
「おとなしくすれば切られまいものを」
痛みでのけぞる姿を嘲笑する。
傭兵が遠ざかるのをじっと待った。
身を伏せて駆け寄ると、
「しっかりするのよ、傭兵はもういないわ」
百姓はぐったりして意識がない。
「ひどいことを・・」
必死の思いで手当てをする。
そんな耳に雄たけびが届いた。
はるか向こうを行く傭兵の声だった。
粉塵をまき散らし、気勢を上げて闊歩していた。
◆ ◆ ◆
「とうとう動き出したわね」
窓から見る紫音に、
「お、お嬢さま、いったいどうなるのでしょう」
「大事なのは情勢を見ることよ。私たちは・・」
と言いかけたときだった。
一人の百姓が傭兵の前に出た。
「もし、お侍様、後生だから田に入らないでくださいませ。稲が倒れたら米が出来ない、飢えて死んでしまいます」
すがるような彼に、
「うるさいっ! だまれ」
いうなり刀を抜いた。
容赦なく切りつける。
「おとなしくすれば切られまいものを」
痛みでのけぞる姿を嘲笑する。
傭兵が遠ざかるのをじっと待った。
身を伏せて駆け寄ると、
「しっかりするのよ、傭兵はもういないわ」
百姓はぐったりして意識がない。
「ひどいことを・・」
必死の思いで手当てをする。
そんな耳に雄たけびが届いた。
はるか向こうを行く傭兵の声だった。
粉塵をまき散らし、気勢を上げて闊歩していた。
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