「だから紫音さまはこの地を離れてほしいのです」
「刀もさることながら、鉄砲が使われると地獄絵図になるのです」
石川と田中が交互に言う。
紫音がゆっくりうなずいた。
「今も姉妹は鹿島屋敷に監禁されているのよね。だったら斉極屋はむやみに討って出ることはしないはず、二人の命があぶないからよ。でも彼女たちが衰弱しているなら話は違ってくるわね」
「お、お嬢さま、それなら一刻も早く逃げましょう、ここはあぶのうございます」
「そうね、そう思うわ。でも辺りの農家や地区会長は避難しないのでしょう? 田んぼの稲はもうすぐ穂を出す頃だからよ」
「そ、それでも命あっての物種でございます。死んでしまっては・・」
たたみかける八重にわらってみせた。
窓の外に目を向ける。
背丈を伸ばした稲が風に揺れていた。
「この頃ね、無性に思い出すことがあるのよ」
それを眺めながら、
「父、丹波のことなのよ。この地区は水不足になりやすいでしょう、だから父はなんとか救う方法はないかと思案してね、それであの『操舵輪』を作ったのよ」
皆が黙り込んだ。
なぜ急にそんな話をという顔をしている。
「刀もさることながら、鉄砲が使われると地獄絵図になるのです」
石川と田中が交互に言う。
紫音がゆっくりうなずいた。
「今も姉妹は鹿島屋敷に監禁されているのよね。だったら斉極屋はむやみに討って出ることはしないはず、二人の命があぶないからよ。でも彼女たちが衰弱しているなら話は違ってくるわね」
「お、お嬢さま、それなら一刻も早く逃げましょう、ここはあぶのうございます」
「そうね、そう思うわ。でも辺りの農家や地区会長は避難しないのでしょう? 田んぼの稲はもうすぐ穂を出す頃だからよ」
「そ、それでも命あっての物種でございます。死んでしまっては・・」
たたみかける八重にわらってみせた。
窓の外に目を向ける。
背丈を伸ばした稲が風に揺れていた。
「この頃ね、無性に思い出すことがあるのよ」
それを眺めながら、
「父、丹波のことなのよ。この地区は水不足になりやすいでしょう、だから父はなんとか救う方法はないかと思案してね、それであの『操舵輪』を作ったのよ」
皆が黙り込んだ。
なぜ急にそんな話をという顔をしている。

