はるけき きみに  ー 彼方より -

 石川は、
「唐突に思われるかもしれません。私と田中はそれがわかって驚きました。しかし反面、やはり・・というものもあったのです」

 田中も、
「委細を申し上げます。実はこの石川と一緒にずっと捜索しているものがあるのです」

 それは以前から聞いていた話でもあった、二人がなにかの事件を追っているのだと。

「一年前までご存命だった丹波様が、秘密裏に我々と捜索していたのです。思い当る節があって、あの鹿島の背後を探っていたのです。その詳細はご勘弁いただきたいのですが、不審な箇所がいくつも出てその証拠を突き止める段階にまでなっていたのです」

 しかし相手は丹波と並ぶ役所の長だ。
 迂闊に動けない。

 だがその途中で驚愕の事件が起こった。
 丹波が投獄され、獄死してしまったのだ。
 頼みの綱を失って石川と田中は困窮した。

 それでも二人は丹波の遺志を継ぐべく歩みを止めなかった。