部屋にしばらく沈黙が流れる。
紫音が気配をうかがうように、
「あのときのことだけどね、菱屋は娘を何度も誘拐しているのだと言っていたわ」
「え?」
「あの廃墟の倉庫でのことよ。あの白髪の舟頭は菱屋にやとわれて娘を舟に乗せていたそうよ、でもけっきょく彼は娘を助けてかくまっていたのだけどね」
「・・・・」
「あの舟頭が教えてくれたのよ。菱屋は何人もの舟頭を雇って、娘を舟で運んでいるんだって。だから、別の便のなかに斉極屋の姉妹がいたのだと思うわ。もしくは籠のままどこかへ運ばれたのかもしれない。だから二人は別の場所に監禁されているのよ」
「たぶんその通りだと思うよ」
マシューがうなずいて、
「だがしかし、そうだとしてもさっきの言葉はどういうことなんだ」
石川を向いた。
その石川はじっと黙ったまま空間を見つめている。
「最初に、君はこの街で戦さが起きると言ったよね、その片方は斉極屋だとも。だったら斉極屋徳兵衛は、いったい誰と戦おうとしているのだ」
紫音が気配をうかがうように、
「あのときのことだけどね、菱屋は娘を何度も誘拐しているのだと言っていたわ」
「え?」
「あの廃墟の倉庫でのことよ。あの白髪の舟頭は菱屋にやとわれて娘を舟に乗せていたそうよ、でもけっきょく彼は娘を助けてかくまっていたのだけどね」
「・・・・」
「あの舟頭が教えてくれたのよ。菱屋は何人もの舟頭を雇って、娘を舟で運んでいるんだって。だから、別の便のなかに斉極屋の姉妹がいたのだと思うわ。もしくは籠のままどこかへ運ばれたのかもしれない。だから二人は別の場所に監禁されているのよ」
「たぶんその通りだと思うよ」
マシューがうなずいて、
「だがしかし、そうだとしてもさっきの言葉はどういうことなんだ」
石川を向いた。
その石川はじっと黙ったまま空間を見つめている。
「最初に、君はこの街で戦さが起きると言ったよね、その片方は斉極屋だとも。だったら斉極屋徳兵衛は、いったい誰と戦おうとしているのだ」

