「まだ、関田という男が君の父だと決まった訳じゃないんだ」
マシューが言った。
「丹波殿である可能性も十分あるんだ、そうだろう?」
「でも、母は父と結婚してから、七年間子供が出来なかったのよ。それなのに、なぜと」
「じゃあ聞くけど、逆に丹波殿はどうだったんだ。君を粗末に扱ったことがあったのか」
「それは」
「前に言っていたよね、最後に会ったとき、投獄されて座敷牢に会いに行ったときだ、丹波殿は、紫音は幸せに生きていってほしいと言ったのだと」
「・・・・」
「それこそ父親の言葉じゃないか、娘を思いやる父の心情だ。それ以外のなにものでもない、俺はそう思うよ」
紫音は道の向こうを見やった。
宋念の姿はとうに消えていた。
なにがどうなっているのか、分からない。
見えるはずのないその姿を、彼の言葉をそこに探していた。
マシューが言った。
「丹波殿である可能性も十分あるんだ、そうだろう?」
「でも、母は父と結婚してから、七年間子供が出来なかったのよ。それなのに、なぜと」
「じゃあ聞くけど、逆に丹波殿はどうだったんだ。君を粗末に扱ったことがあったのか」
「それは」
「前に言っていたよね、最後に会ったとき、投獄されて座敷牢に会いに行ったときだ、丹波殿は、紫音は幸せに生きていってほしいと言ったのだと」
「・・・・」
「それこそ父親の言葉じゃないか、娘を思いやる父の心情だ。それ以外のなにものでもない、俺はそう思うよ」
紫音は道の向こうを見やった。
宋念の姿はとうに消えていた。
なにがどうなっているのか、分からない。
見えるはずのないその姿を、彼の言葉をそこに探していた。

