(わたしが、レリウス様の、番?)
ライラは茫然としてレリウスを見上げる。狼人族は人間族とは違い、結婚相手を番で決めるというのを聞いたことはあった。だが、実際に自分がレリウスの番だと言われてもいまいちよくわからない。
「本当はレリウスだって、気づいていたんだろう?彼女の匂いを心地よいと感じたんじゃないのか?それなのに、どうして頑なに認めようとしない?そんなに人間族の番は嫌なのか」
「なっ、そんなことは一言も……」
(レリウス様は、私と番なのが嫌?私が、人間族だから?)
ライラがジッとレリウスを見つめる。腕の中のライラの視線に気づいて、レリウスは思わずパッとライラを離した。
「とにかく、この話は終わりだ。兄上も帰ってくれ」
気まずそうにそう言って、レリウスはその場からいなくなった。その場に、ライラとベリアルが取り残される。
「……すまないね、意固地な弟で」
「いえ……あの、私がレリウス様の番というのは本当のことなんでしょうか」
「ああ、間違いない。……君はレリウスの番なのは嫌かい?」
「いえ、そんなことは……!むしろ、レリウス様が嫌がっているようです」
少しうつむいてライラはそう呟く。しばらく無言が続いたが、ライラは顔を上げると真剣な眼差しでベリアルに尋ねた。
「あの、番は絶対に一緒にならなければいけないのでしょうか?」
「?」
「私が、レリウス様の番を辞退して、狼人族のご令嬢がレリウス様の番になることはできないのでしょうか」
「辞退、か。まれなケースだし、できなくはないけど、……君もレリウスも辛い思いをすることになるよ」
「でも、私が番を辞退できれば、レリウス様は他の、狼人族のご令嬢と番になれるんですよね」
トルマリン色の綺麗な瞳がベリアルをジッと見つめる。その決意の固まった表情に、ベリアルは眉を下げ寂しそうに微笑んだ。
ライラは茫然としてレリウスを見上げる。狼人族は人間族とは違い、結婚相手を番で決めるというのを聞いたことはあった。だが、実際に自分がレリウスの番だと言われてもいまいちよくわからない。
「本当はレリウスだって、気づいていたんだろう?彼女の匂いを心地よいと感じたんじゃないのか?それなのに、どうして頑なに認めようとしない?そんなに人間族の番は嫌なのか」
「なっ、そんなことは一言も……」
(レリウス様は、私と番なのが嫌?私が、人間族だから?)
ライラがジッとレリウスを見つめる。腕の中のライラの視線に気づいて、レリウスは思わずパッとライラを離した。
「とにかく、この話は終わりだ。兄上も帰ってくれ」
気まずそうにそう言って、レリウスはその場からいなくなった。その場に、ライラとベリアルが取り残される。
「……すまないね、意固地な弟で」
「いえ……あの、私がレリウス様の番というのは本当のことなんでしょうか」
「ああ、間違いない。……君はレリウスの番なのは嫌かい?」
「いえ、そんなことは……!むしろ、レリウス様が嫌がっているようです」
少しうつむいてライラはそう呟く。しばらく無言が続いたが、ライラは顔を上げると真剣な眼差しでベリアルに尋ねた。
「あの、番は絶対に一緒にならなければいけないのでしょうか?」
「?」
「私が、レリウス様の番を辞退して、狼人族のご令嬢がレリウス様の番になることはできないのでしょうか」
「辞退、か。まれなケースだし、できなくはないけど、……君もレリウスも辛い思いをすることになるよ」
「でも、私が番を辞退できれば、レリウス様は他の、狼人族のご令嬢と番になれるんですよね」
トルマリン色の綺麗な瞳がベリアルをジッと見つめる。その決意の固まった表情に、ベリアルは眉を下げ寂しそうに微笑んだ。



