「ベリック、ここにいたのか。ライラも一緒に……って、おい!?」

 ベリックとライラを見つけたレリウスが二人の側にやってきて、ライラの様子に気付く。

「ベリック、どういうことだ。なぜライラは泣いているんだ」

 急に怒ったような口調と声音で問いかけるレリウスに、ライラは慌てて二人の間に割って入った。

「レリウス様、これはベリック様のせいではないです!それに、悲しいとかではないので!」
「……そうなのか?それならいいが」

 不機嫌そうなレリウスを見て、ベリックは意味深に微笑む。

「ライラ様のことがそんなに心配ですか?」
「は?そりゃ当然だろう」
「どうして?そもそもレリウス様にとってライラ様は一体何なんでしょうか」
「何って……どういう意味だ?」

 言っている意味がまるで分からないと戸惑うレリウスに、ベリックは小さくため息をついた。

「いい加減、ご自分の気持ちに気付いていただきたいのですがね」
「声が小さすぎて聞こえないぞ?」
「聞こえないように言ってるんです」
「はぁ?」

 レリウスとライラは不思議そうな顔で目を合わせ首をかしげる。そんな二人を見て、ベリックはやれやれとまた小さくため息をついた。