ヴァンパイアに狙われています！〜運命は危険な出会い〜

「皇も知ってるでしょ？普通科次席、生徒会役委員の雨晴華恋よ」


「あぁ…あの子か。確かに同姓同名っていう子はなかなかいないよね。調べて守る価値あるかも」


「ま、待って！！」


2人の話が淡々と進め中、私は皇くんの言葉を聞いて飛びついた。


だって、信じられるわけがない。


名前は同じだけれど、私と初めて会った時確かに「初めまして」と言っていたのだ。


会ったことなんてない。


だったら、彼女がどうして美琴ちゃんを狙うのか全く分からないし。


「きっと別人だよ。だって、会ったこともないん…でしょ？」


信じたくないという欲望が、私に押し寄せる。


でも、私も心のどこかで「華恋ちゃんがそうなんじゃないか」って思ってる。


友達を疑うなんて、私…最低だ。


「…夢乃、こればっかりは仕方がないよ。何かしらの目的があるんだと思う。調べてみないと私にも分からないし…」


美琴ちゃんが私を落ち着かせようとして、声をかけてくれる。


そうだ、美琴ちゃんのいう通りなんだ。


証拠もない以上、決めつけることもできない。


私は、「どうか、華恋ちゃんは無関係でありますように」と心の中で願うしかなかった。