一度自分から離れておいて、私もひどい奴だ。
あんな態度とったんだから、嫌われるのも当たり前なのに。
私は思わずうつむく。
「美琴ちゃんは、なんで私に何も言わないで転校しちゃったのっ?」
夢乃の顔を見たくなくて、自分の手元を見ながら答える。
「それは…前に夢乃が怪我をした時に、思わず噛みそうになって…」
これは中学2年の夏の話だ。
夢乃と一緒にバトミントン部の臨時メンバーになった時の話で、練習の時に石につまずいて夢乃がこけてしまったのだ。
私は夢乃の足から出る血の匂いに、一瞬理性を失いかけて噛みつこうとしてしまったのだ。
その時は抑えられたが、今後同じことがあれば夢乃を傷つけてしまうかもしれないと思った。
だから、私は夢乃から離れることを決めたのだ。
夢乃のためになると思って。
「夢乃といたら、夢乃を傷つけると思った。だから…」
「違うでしょ!!」
声を荒げられて、私は反射的に顔を上げた。
あんな態度とったんだから、嫌われるのも当たり前なのに。
私は思わずうつむく。
「美琴ちゃんは、なんで私に何も言わないで転校しちゃったのっ?」
夢乃の顔を見たくなくて、自分の手元を見ながら答える。
「それは…前に夢乃が怪我をした時に、思わず噛みそうになって…」
これは中学2年の夏の話だ。
夢乃と一緒にバトミントン部の臨時メンバーになった時の話で、練習の時に石につまずいて夢乃がこけてしまったのだ。
私は夢乃の足から出る血の匂いに、一瞬理性を失いかけて噛みつこうとしてしまったのだ。
その時は抑えられたが、今後同じことがあれば夢乃を傷つけてしまうかもしれないと思った。
だから、私は夢乃から離れることを決めたのだ。
夢乃のためになると思って。
「夢乃といたら、夢乃を傷つけると思った。だから…」
「違うでしょ!!」
声を荒げられて、私は反射的に顔を上げた。



