ヴァンパイアに狙われています!〜運命は危険な出会い〜

三葉さんは中学ではどのような生活を送ったのだろう?


いじめられていた…なんて考えたらゾッとした。


今あそこに立っているのが私であれば、逃げ出していたかもしれない。


泣き出してしまったかもしれない。


怖くてたまらなくなるだろう。


そんな中でもあんなにも堂々としていられる三葉さんは強い、そう思った。


これが終わったら話しかけてみようかな?


私はこの後話しかけてみようと思った。


三葉さんともっと話をしてみたい。


「芸能科1年A組、ランク特Aの三葉星空です。よろしくお願いします」


それだけを言って、礼をした。


その途端聞こえてくる不満の声。


「あいつそれだけかよ!」


「ほんと空気読まないよなー。もうちょっと喋れよ」


「まあ喋ったところで全く聞かないけどね?」


今回は耳をすまさなくてもしっかり聞こえた。


先生にも聞こえているだろうに、なぜ動かないのだろう。


私が何か言ってやろうと動こうとした時、誰かから視線を感じた。


周りを見ると、美琴ちゃんが私をじーっと見ていることに気がついた。


(え、なに?)


美琴ちゃんは口パクをして私に何かを伝えているようだった。


『いまはダメ。がまんして、だいじょうぶだから』


大丈夫と、そう言ったのが見えた。