ヴァンパイアに狙われています!〜運命は危険な出会い〜

それからピンで前髪をしっかりととめて、顔を洗い出す。


普段は顔を洗ったらすっごくスッキリするのに、昨日の出来事が頭をぐるぐる回って全然スッキリしない。


気にしたくないのにー!!


こんなにモヤモヤするなんて初めてだから、ちょっと嫌な気分。


そんなことを考えながら鏡を見ると、後ろに人影が。


「ずいぶん早起きなんだね?」


あれっ?


今、声した…?


誰も起きていないと思っていたからびっくり。


さっきのは、男の子の声だった。


私の家に男性と言ったらお父さんか皇くんしかいない。


正直、お父さんはこんなにかっこいい声なんてしてない。


だから今私の後ろにいるのは…。


「な、ななな何で皇くんが?!」


後ろを見ると予想通り、やっぱり皇くんがいた。


それにしても、音もしなかった…。


こんなに静かに近づかれたら心臓に悪い。