ヴァンパイアに狙われています!〜運命は危険な出会い〜

「は?首席って三葉さんなの?あの悪女が?」


「ね〜あのクソ女が首席なんてあり得ない!」


うっ…。


こういう悪口、いまだに慣れないんだよな〜。


おそらく、中学の頃の私の噂を聞いて言っているのだろう。


自分から悪女を演じておいて傷ついてるなんて、ひどい話だ。


私はたくさんの人を傷つけてきたのに…。


こちらに向かってくる恋星さんも生徒達の声に戸惑っていて、さっきからチラチラと私を見てくる。


どうしてもこんな良い子そうな子に悪印象を持たれるのが嫌で、ちょっといいことを言ってみた。


「いいスピーチだった。お疲れさま」


彼女の顔は見れなかったけれど、きっと驚いた顔をしていただろう。


それから今のことを全て忘れるよう念じ、目の前のことに集中した。