ヴァンパイアに狙われています!〜運命は危険な出会い〜

途端に華恋ちゃんの表情はくもった。


隠しきれない悲しみと後悔、それが表情からにじみ出ていた。


それから、華恋ちゃんは一冊の本を出した。


「ごめんなさい。これ以上は冷静に話せる気がしなくって。だから、気になるならこの日記を見てくれるかしら」


そうは言っていても、なんとなく拒絶しているような気がした。


華恋ちゃんを知るためにはこんなやり方じゃダメだ。


華恋ちゃんが話したいって思った時に、面と向かって話をしないと。


私は視線を彩鈴ちゃんに向けた。


すると、私の意思を読み取ったように言葉を発する。


「それは無理。気持ちっていうのは、面と向かってじゃないと伝わらないから」


華恋ちゃんの表情が少しゆるんだ気がした。


安心の目を向けられて、私も言った。


「そうだよ。彩鈴ちゃんの言う通り」


その後さっきの話は途中で中断になり、授業をサボった不良感を味わいながら楽しく話をしていた。


胸の奥がざわざわしたのは、きっと気のせいだ。