ヴァンパイアに狙われています！〜運命は危険な出会い〜

「いいのよ。説明を飛ばしちゃった私も悪いし」


そう言って、華恋ちゃんは最初から細かく話をしてくれた。


「私は中国では最強とまで言われるマフィアの家系、雨晴家で育っていたことがあったの。その中でグループが存在していて、私達の所属は暗殺者一家と言われるメア家がリーダーだったの。そして敵対していたのが探偵一家の真聖家。真白斗亜は彼の偽名で、本名は真聖乃亜というの」


「偽名…？どうして真白くんが偽名を使う必要があったの？」


私がそう聞くと、華恋ちゃんは目をふせて言った。


「彼が狙われている身だったからよ。幼い頃、彼はさらわれて殺されそうになったとも言われてた。私の手下にね」


ドクンッと大きく心臓がなった。


幼い頃の華恋ちゃんと真白くんは、その時どんな気持ちだったのだろうとそう考えてしまった。


「その時たまたま私も現場に居合わせてね。それが、彼との出会いだったの」


不思議と華恋ちゃんは穏やかな顔をしていた。


まるでそれが、大切な思い出だと言うように。


「その後会ったのは、重要任務で探偵養成学校に入った時だったの。彼はクラスメイトの真白斗亜として、私は中国の令嬢一家雨晴華恋として。でも、その後いろいろと大変なことがあってね」