ヴァンパイアに狙われています!〜運命は危険な出会い〜

「へぇ。しらを切るつもり?まあその方が面白そうか」


何を言っているのか理解できない。


何が面白いのかも、今の状況が何もかも私にとっては理解不能だった。


けれど私はそんな気持ちを無視して気持ちを固め、皇くんをキッと睨む。


けれど全く効果がないようで、皇くんはくすくすとバカにするように笑った。


次に瞬きをすると、いきなり景色が変わった。


イスに座っていたはずの私の体は、少し離れたベットに移動していたのだ。


キシッとベッドから音が聞こえて顔を上げると、皇くんが私の目の前にいた。


皇くんくんはベッドに手をついて、私に覆い被さっているような状態。


顔がキスできそうなくらい至近距離にある。


そう思ったら途端に恥ずかしくなってしまって。


「顔赤いよ?かわいー」


からかわれていると気がついて、さらに顔に熱が集まる。


どんな反応をすればいいか分からない。


とまどう私に、皇くんから願い下げなお願いが飛んできた。


「ねえ、夢乃ってさ。俺がヴァンパイアって知ってるわけじゃん?…だからさ、血吸ってもいい?」


いきなり恋星さん呼びから夢乃と呼び捨てに変わったこと、血を吸ってもいいか聞かれたことに驚いてフリーズする。